汐留駅に留め置かれた黒いトランクから、腐乱した死体が見つかる。差出人として記されていた男は、すでに死んでいた。九州と東京を結ぶ鉄道と船の時刻を一つずつ突き合わせながら、鬼貫警部は容疑者の鉄壁のアリバイに向き合っていく。時刻表と移動の可能性を徹底して詰める作風で知られる著者の、戦後本格の出発点となった里程標的な長編。
1956年7月、講談社〈書下ろし長篇小説全集〉として刊行。クロフツ『樽』を思わせる趣向と評される。作品単独のWikipedia記事はないため、著者記事の著作一覧と楽天ブックスの書誌情報で確認した。刊行元は現在流通する創元推理文庫版に合わせた。受賞歴は確認できなかった。
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