プラスティック
井上夢人
講談社 / 1994年
五十四個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となっていく。記録の断片だけで全体を組み立てさせる、異色の構成を持つ長編である。
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